米シラキュース大学が開発した'Match'は、色や形を文字通り「マッチ」させることで、誰もが簡単に料理できる調理器具だ。'Match'開発の主目的は、自閉症の人々がより多くの料理を行えるようにすることだという。
'Match'では、例えば、計量スプーンとボウルが同じ形や色になっているので、それらを一緒に使えばよいことが直感的に理解できる。調理器具の置き場所と器具が同じ形になっているので、簡単に正しい位置に戻せる。(ちなみに器具には磁石がついていて、より正確に戻せるようになっている)。そのような工夫が施された調理器具なのだ。
'Match'専用のiPadアプリも作られ、上の調理器具とあわせて、料理のレシピをより簡単に理解できるようになっている。
'Match'は、Metropolitan Next Generation Competitionで10万ドルを獲得し、販売へ向けて準備を進めているそうだ。
'Match'には難しいテクノロジーは何もないし、'Match'のアプローチは、けっして自閉症の人々だけのものではない。
世の中にいる多くの「困っている人々」に、いかに「マッチ」するアイデアを見つけ、提供できるか。それが、ものづくりに携わるすべての人に必要な視点なのだ、と'Match'は教えてくれる。