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デトロイト復興のガイドブック:Impact Detroit Community Development How-To Guides

http://www.dcdc-udm.org/community/impact/howto/
米国デトロイト市の破産申請は、世界中に衝撃を与えた。大都市の行政組織が破綻しただけではなく、そこが、かつて米国の象徴だった自動車産業の中核の都市だったからだ。自動車産業の本格的な衰退とそれに依存し続けた地方行政、また、救済しそこねた連邦政府の失政など、様々な批評や憶測が飛ぶ中、「復興」にむけて動き出す人々や組織もある。

そんな人々を支援するために作られたのが、'Impact Detroit Community Development How-To Guides ’と言う名前のガイドブック。対象は、スモールビジネスの経営者、コミュニティ組織、アイデアを持った個人、コーディネータで、それぞれが次の8つのガイドブックから必要なものを組み合わせて、自分たちのプロジェクトの設立や運営に役立ててもらおう、というものだ。

How Do I…Use the How-To Guides? このガイドブックはどう使う?
How Do I…Prepare a Grant Proposal? 助成金へ応募するには?
How Do I…Start a Social Media Strategy? ソーシャルメディアはどう使う?
How Do I…Create and Maintain A Block Club? ブッククラブを設立・運営するには?
How Do I…Organize a Neighborhood Clean Up Day? 近隣清掃の日を運営するには?
How Do I…Outreach to My Community? コミュニティーへの奉仕するには?
How Do I…Create a Story for My Project? プロジェクトのストーリーを作るには?
How Do I…Find Resources for My Small Business? スモールビジネスのためのリソースを見つけるには?

クリーンでセンスの良いガイドブックのデザインも素敵だが、中身も簡潔にまとまっている。例えば、「プロジェクトのストーリーを作るには?」は、こんな感じ。

  • オーディエンスを知ること:なぜ訴えようとしている相手は誰?コミュニティ、メディア、投資家、それら全て?
  • なぜそのプロジェクトは重要なのか?:プロジェクトの必要性と課題を明確に。どのように伝えるか、そして、なぜ重要なのか?
  • 強み、課題、必要性、目標を記述する:あなたとあなたのコミュニティが持っているアセットを明らかにすること。また制約を認識し、プロジェクトの目標を示すこと。
  • アクション項目と現実的なスケジュールを定める:次へ進むためのステップを決める。短期から長期(3-6ヶ月、2年、5年…)のスケジュールで、アクション項目を考える。
  • プロジェクトの理念を実現する大きな目標を示す:メイン目標からのキーワードを使って、プロジェクトを表現する簡潔な文章(1,2文)を作る。
  • ストーリーを練習し、世界へ広げる:練習が完璧を作る!プロジェクトや目標をうまく説明できるようになるほど、支援が得られる可能性も高くなる。

コミュニティ復興に関わるプロジェクトだけでなく、あらゆるスタートアップに役立ちそうなアドバイスだと思う。

ガイドブックを作成したデトロイト・コラボレーティブ・デザイン・センターは、デトロイト大学マーシー建築校が運営する、デザインとコラボレーションを通じて持続可能な街を作ることを目的とした活動を行ってきた非営利組織。

自然災害であれ、財政破綻であれ、戦争であれ、破壊されたコミュニティを復興する主役は、国でも地方行政でもない。その土地で暮らす人々自身だ。そして、不幸にもどん底に落ちた人々には、復活する大きなエネルギーが蓄積されていると信じたい。そのエネルギーを、人々の持つ力を結集できれば、以前より良い街や生活を創りだすことは十分可能だし、どん底まで行ったからこそ大きなエネルギーが蓄積されているのだ。これ以上無理なほど押し込められたバネのように。

そんな人の持つ力を信じ、希望を持って進んで欲しい。ガイドブックは、そんな人々を支えるためにあるのだ。

http://www.dcdc-udm.org/community/impact/howto/Howto6.pdf

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