スペースシャトルの打ち上げも、5月10日にエンデバー、6月28日にアトランティスの2回を残すのみとなりました。脚光を浴びたアポロ・ロケットの後継機として開発されたスペースシャトルの初飛行は1981年。打ち上げコストの高さや、チャレンジャーの爆発事故を乗り越えて、高度な技術プロジェクトがほぼ同じ形で30年間も続いたことは賞賛に値すると思います。
しかし、今回のスペースシャトルの引退が今までと決定的に違うのは、スペースシャトルには後継機がない、と言うことです。
宇宙開発の予算は大幅にカットされ、現在NASAは宇宙飛行士の応募も受け付けていません。少なくとも2016年までは、ロシアのソユーズが、人類にとって唯一の有人宇宙輸送の方法なのです。(ヴァージンアトランティックやホリエモンのロケットが例外になる可能性は残されているが…。)
そもそも、米ソの「冷戦」から始まったと言える宇宙開発がこんな時代を迎えるとは、アイゼンハワーもケネディーも予想できなかったでしょうね。
米国では「威信をかけた」宇宙開発の凋落を嘆く人も多いようです。このインフォグラフィックはGOODが作成したもの。「あなたは宇宙飛行士になる夢をあきらめるべきか?」と題したちょっと皮肉を込めた、フローチャート。
宇宙飛行士になるための最後のチェック項目は「ロシア語を話せるか?」。
ちなみに「宇宙人探し(SETI)」プロジェクトも大幅な予算カットのようです。
経済危機の時代だからこそ、夢のあるプロジェクトを打ち立てる。少なくとも米国は、そういう国だと思っていたのですが。