街を作っているのは人である。人をヒトたらしめているのは「歩く」ことだ。であれば、街の姿を見ようと思えば、人の歩行を見れば良い。 そんな論理展開かどうかはわからないが、オーストラリアのメルボルンでは市街にセンサーを設置し、歩行者の数をカウント…
AR(Augmented Reality 拡張現実)やMR(Mixed Reality 複合現実)の技術が急速に進み、世の中には新しいUI(ユーザー・インタフェース)、UX(ユーザー・エクスペリエンス)が数多く提案されている。様々な考え方がある中で共通するのは、人間がコンピュータに…
物心ついた時から、雨の日が好きだった。雨の音は心を落ち着かせてくれた。でも、なぜか雨の日が好きな人が自分以外にいるとは、考えたことがなかった。だからずっと、雨の日が好きなことは、誰にも言わずにいた。Rainymoodは、雨の音を再生するだけのアプリ…
可視化のリサーチをする中で偶然、興味深いゲームに出会った。Groove Coaster Zero(グルーブコースターゼロ)なるiPhone/iPadアプリだ。Groove Coaster Zeroはいたってシンプルなゲーム。ユーザーは一本のラインにそってバーチャル空間を飛行する。ところど…
iPhoneを使うようになって、普段音楽を聴く機会が増えた。最初は持っているアルバムをiPhoneに入れて聴いていたが、好きな曲だけ聞きたくなってプレイリストもいくつか作った。この先さらにエスカレートすると、好きな曲だけをエンドレスで聴きたい、と言う…
先日ニューヨークを襲ったハリケーンは、連日ニュースで報じられた。そのめったにない自然災害を予感していたかのような可視化が、英Guardian紙のデータブログにこの夏投稿されている。"Hurricanes Since 1891(1891年以降のハリケーン)"だ。米国海洋大気局…
Google Experimentにアップされた"Stars"は、銀河系の10万個の星を可視化したコンテンツだ。左上の再生ボタンを押すと、太陽からの宇宙旅行が始まる。太陽系、ボイジャー1号の現在地、1光年、オールトの雲、太陽系近隣の恒星、銀河全体まで、シームレス…
前回のブログ(可視化のメディアはもっと自由だ - サイエンスメディアな日々、インフォグラフィクスな日々)で、データ可視化はもっと自由な発想で行えると書いた。実際、様々な取り組みが行われている。その中でもとりわけユニークなのが、フィンランドで活…
可視化を行うとき、まず考えるのは、どんなデータを使うか、そのデータをどう整理して、どんなデザインで表現するか、と言うことだろう。しかし、もうひとつ、普段忘れがちな、より根本的な視点がある。どんなメディア(媒体)を使うか、と言う視点だ。可視…
「ニューヨークタイムズ日曜版一部に掲載されている情報量は、ルネサンス時代に一人の人間が一生かけて出会う情報量より多い。」(Richard Saul Wurman “Information Anxiety”) Googleが把握しているURLリンクの数は1兆個を越えた。(Google公式ブログ 200…
アメリカ映画通ならきっと欲しくなるポスター。それが、"The History of Film"だ。 「映画の歴史」と言う名前のとおり、1910年代の映画黎明期から現在まで100年間にわたり、2000を超える映画の題名を20のジャンルにわけてプロットしたものだ。ピックアップさ…
ここ数日、新聞などで地盤のリスクが話題になっている。土砂災害のおそれがある山間部や、崩壊の危険性が高い宅地を「可視化」した地図も公開された。このニュースを見て一年前に取材したサイエンスニュースを思い出した。シリーズ学協会の提言 地盤工学会だ…
デジタルの時代になっても、いや、デジタルの時代だからこそ、人間的なものが求められる。とりわけ、人間そのものはどんな科学技術をもっても完璧に模倣することができない。人間の動きは究極の科学であり、同時に究極の美でもある。Matt Pykeの"Made by Hum…
健康診断では定番の検尿。様々な成分が含まれる尿が健康状態のバロメータであることは、かなり昔から知られていたようだ。 上の円環図は1506年、Ullrich Pinderによって描かれたもの。その目的は、おしっこの色、匂い、味から、病気を診断すること。正真正銘…
可視化の手法をまとめたものはあまたあれど、これはなかなかユニークだ。"Periodic Table of Visualization Methods(可視化手法の周期表)"なるインタラクティブコンテンツ、一件普通の周期表に見えるが、よく見るとひとつひとつの「元素」は、可視化手法を…
自分の目で見えるものは限られる。 もっと、視野を広げるにはどうすればよいか。ひとつの方法は、他の人に見てもらうことだ。より高居場所からその場所を俯瞰できる人に頼めば、より効果があるだろう。これは特に斬新なアイデアと言うわけではない。しかし、…
よく理解できないが、感覚に突き刺さってくる。人類が何かを初めて見るとき、そこには驚きを超えた、言葉にはできない感覚があるのだろう。そういう感覚を、この奇妙な「オブジェ」は与えているような気がする。 このオブジェの正体は、100編を超える、X…
データのリアルタイムな取得・分析が求められる代表例が、航空管制だろう。刻一刻と変わる航空機の位置を把握し、計画と比較して適切な指示を出さねばならない。迅速で正確なデータの取得・表示・理解が求められる。一般人は本物の航空管制の情報を得ること…
山中教授のノーベル医学・生理学賞受賞は、日本にとってひさしぶりの明るいニュースだ。iPS細胞という世紀の発見、発見から受賞までの早さ、山中教授の若さ、どれをとっても普通のノーベル賞とは違う、特別な受賞だと思う。しかし何にもまして、山中教授のか…
コンピュータで絵を描きたいと言うのはコンピュータの黎明期から続く自然な欲求で、いまだに新しい試みが続いている。近年のハード、ソフトの進化とともにその完成度と操作性は急速に高まり、プログラミングやアートの知識・経験がなくても使えるアプリも生…
社会を可視化し続けるNewYorkTimesらしいインフォグラフィクス、"Fighters in Patent War(特許戦争の戦士)"は、世界のモバイル機器メーカーの、特許訴訟関係を図示したものだ。戦士として登場するのは、Apple、Motrola、Nokia、Sony、Sumsung、LG、HTCなど…
”The Insanely Great History of Apple"は、その名の通り、Appleが作ってきたハードウェアの歴史がひと目で分かるインフォグラフィクス。この手の物は他にもあるが、各ハードウェアの微妙な違いを表すイラストと、ハードウェアの系統を表す色分けがユニーク…
Chrome Experimentが、また面白い可視化コンテンツを公開している。"Cloud Globe"という名前のこのコンテンツは、2010年7月1日から2012年9月12日までの地球上の雲の動きを、インタラクティブなアニメーションで表示するものだ。 小気味よいデザインと、リア…
マクルーハンが「メディアは模倣する」と述べたように、新しく登場したメディアは、従前のメディアの代用として現れる。例えば、映画の黎明期、フィルムに映っていたのは演劇だった。テレビが放送を始めた時、人々はお茶の間で映画を楽しんだ。やがてそれら…
今やネットでの「調べ物」のデファクトスタンダードと言えるWikipedia. 登場当初はその信頼性に疑問の声も多かったし、学生レポートの「コピペ」先としても槍玉に上がるサイトであるが、いつのまにかWikipediaへの違和感はなくなり、必須のツールとして君臨…
原子力爆弾は通常兵器に比べると莫大な破壊能力を持っている。それは間違いない。しかし一口に原子力爆弾と言っても、色々ある。各原爆のエネルギーを比較したインフォグラフィクス、"Nuclear Bomb Power"を使って、比べてみよう。人類史で実際に戦争に使わ…
日本も選挙の話題で持ちきりだが、今年はアメリカも盛り上がっている。そう、大統領選挙の年だ。 日本ではまだ選挙活動でインターネットを利用することが認められていないが、米国ではもはやメイン・ツールになっている。しかも4年前の大統領選挙よりも、ソ…
Googleの新しいデバイス、Glassの発表はテレビニュースでもとりあげられ、近未来のコンピュータ・インターフェースへの期待をかき立てた。ユーザーが見ている風景に、情報が絵や文字として重ね合わされる。Glassが提供する世界は、リアルとバーチャルの境界…
国民皆保険の日本と違って、米国では医療保険の加入は必須ではなかった。そのため、特に低所得者層は医療保険をかけない人も多く、大病や大怪我の際、医療費が重荷になるケースも多い。そういう状況の下、政府系保険の拡大もあり、医療保険は徐々に普及して…
アメリカの大統領選挙が近づいてきた。日本はそれどころではない状況とは言え、アメリカの政治が世界を大きく左右することは誰もが認めることであり、関心を持たないわけにもいかない。民主党と共和党、どちらが勝つのか。その動向を予想する様々な試みも行…