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科学技術

小惑星のビッグデータ 'Asterank'

私達の太陽系に無数に存在するといわれる小惑星。そんな小惑星の膨大なデータベースが、Asterankだ。 Asterankには60万個を超える小惑星のデータが蓄えられている。それらはNASAなどの既存のデータベースからあつめられただけでなく、科学論文などから質量や…

スマホで操作できるプロ野球応援ロボット:Hanwha Fanbot

韓国のプロ野球チーム、韓華(ハンファ)イーグルスは、長い低迷に苦しんでいる。1999年の初優勝以来、15年間優勝から遠ざかり、負けるとわかっても応援する忍耐強いファンたちは、「石仏」と呼ばれているほどだ。 そんな状況をなんとかしようと投入された助…

女性専用の体内埋め込み型マイクロチップ・補足編

先日、このブログに掲載した「女性専用の体内埋め込み型チップ」には、多くのコメントをもらった。その中には「恐ろしい」「やりすぎだ」などという声も少なくなかったが、実は僕も、同じような第一印象をもった。しかし、調べるうちにこの技術は医療に幅広…

女性専用の体内埋込み型マイクロチップ

女性の体内に埋め込まれ、ホルモンを分泌するマイクロチップを、M.I.T.のファラ教授らのチームが開発した。20ミリ角・高さ7ミリのチップは、レベノルゲストレルとよばれるホルモンを毎日一定量、16年間にわたって体内に送り込む機能を持つ。このホルモンには…

光に反応するカーテン:light activated curtains by U.C. Barkley

「スマート・オフィス」「スマート・ホーム」という言葉を、よく耳にするようになった。仕事場や家を「快適に」してくれるさまざまな技術が開発され、競い合っている。アイデアはバラエティに飛んでいるが、根幹の技術は結局センサーやマイコンを組み合わせ…

推論する人工知能:Debater with IBM Watson

急激に進化する人工知能の中で、おそらく現在もっとも有名で、もっとも優秀な人工知能は、IBMが開発するWatson(ワトソン)だろう。Watsonはクイズ番組「Jeopardy!」に出場し、人間のチャンピオンをおさえて優勝した。その後もWatsonは進化を続けている。Wat…

どうせGoogleに見られるのだから:GOOGLE HAS MOST OF MY EMAIL

記事出典:Google Has Most of My Email Because It Has All of Yours | copyrighteousクラウド・サービスが当たり前になった今でも、「他人に自分の情報を預ける」ことに違和感を覚える人も少なくない。ベンジャミン・ヒルもその一人。ヒルは、自宅サーバー…

匂いを伝える電話:oPhone

「匂いを伝える電話」を、ハーバード大学の研究者らが開発した。'oPhone'と呼ばれるこの電話には、30万種類以上の香りを作り出す「匂いチップ」が組み込まれている。専用アプリ'oSnap'は無料でダウンロード可能。香りパレットから選んだ匂いを画像にタグ付け…

私たちが求めるウェブ:Web We Want

ワールド・ワイド・ウェブの誕生から、今年で25年。ウェブは自由でオープンな、世界中の人々が信頼する通信プラットフォームになった。インターネットは特定の誰かが所有するものではなく、同時に、不特定の誰もが所有する、現代最大のコミュニケーション・…

金属を「食べる」植物、発見される:Rinorea niccolifera discovered in Luzan Island in the Philippines

金属を「食べる」新種の植物が、フィリピン・ルソン島で発見された。 この植物は、葉の中に18000ppmの金属ニッケルを蓄えることができるという。これは他の植物の100倍から1000倍の量だ。 発見されたルソン島西部は、土壌中に金属が多く含まれる場所として知…

他人と自分の体を入れ替える実験が教えてくれるもの:Machin To Be Another Lab

自分の体を他人の体と入れ替えてみたいーーーーー。それは、誰もが一度は持ったことがある願望ではないだろうか。将来、テクノロジーの発展によって、その願望がかなう日がくるかもしれない。でも、もしその日が待てなくても、「疑似体験」する方法がある。 バル…

市民はどんな未来を予想しているのか:U.S. Views of Technology and the Future

市民がどのよう未来像をもっているかは、社会にとって非常に重要なことだ。未来は「やってくる」のではなく、自分たちで「創る」のであって、その担い手は言うまでもなく現在の人々、すなわち私たち自身だからだ。人々の今の思いを知れば、ある程度未来を予…

DARPAが開発する「トランスフォーマ」:ARES developed by DARPA

米国国防高等研究計画局(DARPA)が開発するドローン型航空機ARESは、まるで「トランスフォーマ」のようだ。 ARESとはAerial Reconfigurable Embedded Systemの略。外観はオスプレイのようなVTOL(垂直離着陸機)だが、"Reconfigurable"という名称が示す通り…

癌を嗅ぎ分けるハエ

ミバエ(蝿の一種)が、がん細胞の匂いを感知する能力をもっていることを、独・コンスタンツ大学の研究者チームが発見した。(Cancer-sniffing fruit flies start to glow if they smell sickness | DVICE)これまで、犬や蜂なども癌の匂いを感じる能力をも…

クールな電動一輪車:Ryno by Chris Hoffmann

少し前までのテクノロジーは、時にものごとを巨大に、また複雑にし、「人間的」とは正反対にある感覚もあった。しかし、人類の知見がさらに深まることによって、テクノロジーはコンパクトでシンプルなものに戻ってきたように思う。テクノロジーは、人にやさ…

筋肉のように柔らかいロボットスーツ:Robotic Ankle by CMU etc.

今、介護やリハビリテーションの分野にロボットが急速に普及している。この度カーネギーメロン大学、ハーバード大学などの共同研究チームが開発したRobotic Ankle=ロボット足首もそのひとつだ。しかしこのロボットは、従来のロボットと違って、とても「柔ら…

実用化が進むマルチコプター型空陸両用車:Advanced Tactics Black Knight/Panther

複数のプロペラを搭載した飛行体、いわゆる「ドローン」が巷で話題になりはじめたのはついこの前だが、実用的な機体開発はすでに進んでいる。Advanced Tactics社の"AT Black Knight/Panther Transformer"は、その代表的なプロジェクトだろう。AT Transformer…

車輪も脚もない移動体:Super Ball Bot by NASA

NASAが開発中の惑星ローバー(地球外惑星に着陸、探査する移動体)”Super Ball Bot”は、従来の探査車とはまったく趣きを異にするものだ。棒と紐を組み合わせたその外観は、まるで手作りの工芸品のようで、形を変えながら移動する姿は新種の生き物のようにも…

太陽と砂で動く3Dプリンター:Sun-powered, sand-fed 3D-printer by Markus Kayser

瞬く間に普及した3Dプリンター。扱える材料はABSやPLAといった樹脂系だけでなく、金属を立体造形するものや、木材を使うものもある。しかし、ロンドン在住のデザイン科の学生、マルカス・カイザー(Markus Kayser )の発想はさらに先を行っている。彼が3D…

CDを利用した浄水器:CD Photocatalytic Reactor

モバイル機器の普及で、CDで音楽を聞くことも少なくなった。昔、レコードからCDへと移り変わった音楽は、もうSSD(半導体メモリ)とクラウドの時代に入ろうとしている。テクノロジーの進化は歓迎するが、長年集めたCDコレクションが無駄になってしまうのは悲…

がれきの下の人命を発見する装置をNASAが開発:'FINDER' by NASA

災害現場では「72時間の壁」と呼ばれる目安がある。早く救助するほど、人命を救える確率は上がるという事実を表現した言葉だ。しかし、瓦礫や土砂に覆われ、救援部隊の行動も妨げる災害現場では、人命探索は困難な作業になる。精度と効率を上げる方法や機器…

広がるUAV(無人飛行機)の活用:Falcon UAVの事例

災害現場での無人飛行機(UAV=Un-Manned Vehicle)の活用が、急速に広がろうとしている。垂直離着陸型では、ホビー感覚で使えるAR Droneや、GoProを搭載しGPSで自動で帰還できるDJI Phantomは、専門家以外にも大きく門戸を広げた。そして、固定翼型も、偵察…

SONYとLEGOのコラボレーション:Sony Computer Science Laboratory

オーディオからテレビ、そしてゲームへと製品を展開してきたソニー。かつての「ソニー神話」は多少陰をひそめたとは言え、日本を代表するテクノロジー企業であることは間違いない。ソニーの次のターゲットは何なのだろうか?その候補に「おもちゃ」が浮上し…

意識をもった飛行ロボット:Flight of Quadrotor

この動画を見れば、誰もが驚くだろう。20基の無機質な飛行ロボットが、空中を俊敏に移動しながら正確な隊列を作っていく。それはまるで、意識を持ち、お互いにコミュニケーションしている生物のようである。いや、ある意味では、生物を越えた地球外生命体…

市民参加による科学の民主化:NASA Spacehack

最近、「オープン・サイエンス」と言う言葉を耳にする。一部の科学者・技術者だけのものになってしまった科学技術を、再び市民に開放しようという活動だ。その背後には、インターネットの発展によって市民レベルでの情報共有が容易になったことがある。しか…

目立たないが大切な研究開発を伝えること

ここ数日、新聞などで地盤のリスクが話題になっている。土砂災害のおそれがある山間部や、崩壊の危険性が高い宅地を「可視化」した地図も公開された。このニュースを見て一年前に取材したサイエンスニュースを思い出した。シリーズ学協会の提言 地盤工学会だ…

音によるバリアフリー技術:見直しが進む、音サイン

音サイン、と言うのをご存知だろうか。駅の改札や出入口で「ピンポーン」と言う音を聞いたことはあると思う。あれが、音サインだ。主として視覚障害者に場所や方向を教える、音による案内なのだ。 音サインは2000年の交通バリアフリー法で本格的な普及が始ま…

高齢者ドライバーの事故を未然に防ぐ:交通安全アドバイスシステム Objec(オブジェ)

高齢者ドライバーによる交通事故が度々話題になる。高齢者が加害者になると言う社会的な関心の高さもあるが、交通事故件数全体は減少する中で、高齢者ドライバーによる交通事故の割合は増加している。高齢者社会の当然の結果だと片付けず、早急に何らかの対…

緊急地震速報の弱点を改善する:同時多発型地震への対応

昨年3月の東日本大震災の後、緊急地震速報の誤報が増加している。震災前の誤報(実際の震度と地震速報の予測が2以上異なっていたイベント)の割合は3割程度だったのに対し、震災後は倍の6割以上に跳ね上がったのだ。そのほとんどは過大な予測、すなわち、…

たのしいカガク:「サイエンスぬいぐるみ」プロジェクト

「むずかしく思われがちなサイエンスやテクノロジーを、もっと親しみやすいものにしたい。」 そんな思いで作ったのが、サイエンスぬいぐるみです。微生物から宇宙機器まで、モデルの特徴やイメージを大切にしながら、ひとつひとつオリジナルで制作します。」…

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