サイエンスメディアな日々   インフォグラフィクスな日々

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2012-01-01から1年間の記事一覧

ピザの宅配ルートの美しい可視化:America Revealed, Pizza Delivery

PBS UKで、"America Revealed"と言う番組の放送が始まった。BBCの素晴らしいドキュメンタリー"Britain from Above"を下敷きにした、情報・データの可視化を積極的に取り入れた新シリーズだ。アイゼンハワー、カウボーイ、養蜂家、Facebookのエンジニア、未来…

東京スカイツリーは、世界一の雷研究室

今年5月に開業した、東京スカイツリー。世界でもっとも高いタワーは、東京の新名所として連日多くの人で賑わっている。 この東京スカイツリーで、ある研究プロジェクトが始まっている。この鍵となるのが、天望回廊のさらに50m上、地上497mの位置に設…

サイバー攻撃を近未来的に可視化する:NICT DAEDALUS

独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)が開発したDAEDALUSが話題になっている。NICTでは以前からサイバー攻撃の可視化を行うNICTERと言うシステムを開発しているが、DAEALUSはNICTERをベースにしたサイバー攻撃アラートシステム。 NICTERは、ダークネット(…

他人が代金を払ってくれるコーヒー・ショップ:A Story at Corner Perk Cafe

先日GOODで見つけたあるニュース記事が、深く心に残った。次のような内容の記事だ。 サウスカロライナ州ブラフトンにある、コーナー・パーク・カフェと言うコーヒーショップでの話。2年ほど前、ある女性客がレジで自分の支払いを済ませた後、百ドル札を渡し…

写真の代わりに文章が出てくるカメラ:Descriptive Camera

テクノロジーの進歩と低価格化、オープン・ソースとソーシャル。それらが組み合わさって、今まで不可能だと思っていたことや、思いつくことさえなかったことが、次々と現実のものになっている。Matt Rechardsonが作った”Descriptive Camera”もそのひとつだ。…

スマートフォンで撮った写真から行動を分析する:InFoto

スマートフォンや携帯の撮影パフォーマンスが向上し、一昔前のデジカメと遜色ないクオリティの写真を気軽に撮ることができるようになった。気軽に撮れる一方で、いつの間にか大量の写真がデバイスに貯まるようになった。普通の人なら、大量に貯まった写真を…

簡単にインフォグラフィクスを作るサービス・その2:Pictchart.com

先日紹介したEasel.lyに引き続き、簡単にインフォグラフィクスを作ることができるクラウド・アプリケーション第2弾。 今回紹介する Pictochartは、ざっとみた感じ、Easel.lyよりも自由度が高そうなアプリケーションだ。 用意されているテーマは現在37種類…

データの可視化のデータを可視化する:data visualization reference network

インフォビズ、データビジュアリゼーション、インフォグラフィクス、インタラクティブ、インフォメーションデザイン、データビズ………。データの可視化に関係する言葉は様々であり、その種類も増加している。加えて、データ可視化は学際的な分野としてその存在…

オープンとシェアによる近未来のアクティビティ・モデル:授業計画販売サイト・TeachesPayTeachers.com

先進的なテクノロジーやユニークなアイデアがあふれるスタートアップ・ビジネスには、明日のGoogleやAppleが出てくるかもしれないと言う期待がある。技術とアイデアとやる気があれば、誰でも世界を変えるチャンスがある。そんな「わくわくした気持ち」を与え…

緑が多いところに住めば、金持ちになれる?: GoogleEarthを使ったデータ・マイニングの可能性

公園や街路樹、庭など、都会を見渡すと意外に緑が多い。特に都会や高級住宅街と呼ばれるところほど意識して緑を作っている。おそらく多くの人もそう感じているだろうし、自分自身の体感でもそう思う。しかし、それが客観的な事実であることを調べるには、裏…

緊急地震速報の弱点を改善する:同時多発型地震への対応

昨年3月の東日本大震災の後、緊急地震速報の誤報が増加している。震災前の誤報(実際の震度と地震速報の予測が2以上異なっていたイベント)の割合は3割程度だったのに対し、震災後は倍の6割以上に跳ね上がったのだ。そのほとんどは過大な予測、すなわち、…

産まれたばかりの赤ちゃんの脳は、ものを触ることで発達する?:新生児の脳の可視化

近年、日本では早産児や低出生体重児の割合が増加している。ダイエットの行き過ぎなども指摘されるが、早産児や低出生体重児に障害が残らないよう、出生後の脳の発達を助けるケアが必要だ。しかし、実は新生児の脳全体の活動は、まだほとんど体系的に計測さ…

たのしいカガク:「サイエンスぬいぐるみ」プロジェクト

「むずかしく思われがちなサイエンスやテクノロジーを、もっと親しみやすいものにしたい。」 そんな思いで作ったのが、サイエンスぬいぐるみです。微生物から宇宙機器まで、モデルの特徴やイメージを大切にしながら、ひとつひとつオリジナルで制作します。」…

「Makerムーブメント」は世界を変えるか:Maker Conference Tokyo 2012

[2012.11.3補足] 今回のMakerムーブメントの取材は、サイエンス チャンネル にまとめました。ぜひご覧ください。 #######日本科学未来館で開催された、Maker Conference Tokyo 2012に参加した。 サイエンスニュースのリサーチ取材として参加したのだが、、個…

「つながる」より前にやるべきこと

EメールやSNSを通じて、イベントや集まりの案内が毎日のように届く。それぞれの人が様々なネットワークを作り、活動している。そう、現代は「ソーシャル・ネットワークの時代」なのだ。「みんなでつながろう。そうすれば、良いことがある。」そんなメッセー…

簡単にインフォグラフィクスを作るサービス:easel.ly

インフォグラフィクス(インフォグラフィック)と言う言葉もかなり定着し、実際に作ってみたいと言う人も増えてきた。でも、実際に作ってみようとすると、どんなデザインにすれば良いのか悩んでしまう。一般人にとって、配色やレイアウトは思ったより敷居が…

世紀のイベントはいつどこで見られるか:世界日食観察マップ(2012-2025)

いよいよ金環日食の日が迫ってきた。日食グラスも購入し、体調も整え、後は良い天気を待つだけだ。もし、もちろんそんなことはあって欲しくないが、来週月曜日の朝が曇りや雨だったら、この次、日本で日食が見られるのはいつなのだろうか。そんな弱気な疑問…

宇宙の果てを見る:6df Galaxy Survey

赤方偏移とは、高速に遠ざかる物体から放たれる光の波長が長くなる現象のこと。要するに、ドップラー効果の光版だ。光の波長が長くなると光の色が赤色側にずれるので、赤方偏移と呼ばれる。赤方偏移を観測すれば、宇宙の星々や銀河が遠ざかる速さがわかり、…

日本のスパコン開発の凋落:正田秀明氏による「一目でわかる、スパコンシェアの変遷 」

我が日本が誇るスパコン「京」が、世界のスパコンランキング「Top500」で2期連続の世界一を達成し、日本のスパコン開発力の復権をたたえる声も聞こえる。たしかに嬉しい出来事だし、素直に喜びたい気持ちもある。しかし、スパコンランキングの全体像を見れば…

理系分野の女性進出はどうなっているのか:The Next Generation of Scientists

GOODのサイトに掲載されている、"Who is the Next Generation Scientist?" (次世代の科学者は誰?)というキャッチコピーのついたこのインフォグラフィクスは、米国における理系各分野の男女比を見える化したものだ。STEM(Science Technology Engineering a…

オープンソースのデータ可視化プロジェクト:Miso Project

オープンソースのデータ可視化プロジェクトが、様々な場所で動き始めている。その中でも興味深いのが、Miso Projectだ。オープンソースのプロジェクトと言うと、その性質上、草の根的な活動が多いのだが、このMiso Projectは英国の新聞The Guardianと、オー…

EXCELでもこんなに美しいグラフができる:EXCELCHARTS.com

「センスが良く、インパクトのあるグラフやインフォグラフィクスを作りたい。でも新しいツールを覚えるのは億劫だ。手元にあるEXCELでは、たいしたものは作れないだろうし...。」そんなふうにあきらめている人は多いだろう。でも、まだあきらめないでほしい…

国民の「気持ち」を可視化する:日本科学未来館「世界の終わりのものがたり〜もはや逃れられない73の問い」

日本科学未来館で開催中の企画展、「世界の終わりのものがたり〜もはや逃れられない73の問い」は、私たち来場者の「気持ち」を可視化してくれる、興味深い展示だ。展示ルームの中には様々な問いが掲げられ、来場者はそれに答えていく。ある問いはホワイトボ…

次の時代に来るもの:The Next Big Thing by GOOD magazine

経済危機、環境・エネルギー問題、地域紛争、政治不信... 様々な閉塞感にあふれる現代。八方ふさがりに見える今だからこそ、逆に、その背後には、次の変革の原動力となる大きなエネルギーが蓄積しつつあるようにも思える。そんな動きを感じる記事のひとつが…

データ・ビジュアリゼーションで陥りやすい4つの過ち

Visual.lyの最近のブログに、「データ・ビジュアリゼーションで避けるべき4つの過ち」と題した投稿がある。基本的なことだが知っておくべきことだと思ったので、概略をまとめてみた。 過ち1.データよりプレゼンテーションを重視する ビジュアリゼーション…

指揮者の繊細な動きを伝える可視化:"Connecting Music and Gesture" by New York Times

同じオーケストラ、同じ曲でも、指揮者が違えばまったく違う音楽になる。当たり前のようで不思議、不思議なようで当たり前なこの事実。いったい、オーケストラが奏でる音楽と指揮者の動きはどのように結びついているのだろうか。そんな疑問を解明する試みを…

科学技術用語の栄枯盛衰を見る:The Popular Science Archive Explorer

「ポピュラー・サイエンス」は、創刊1872年の歴史ある科学雑誌。タイトル通り、一般市民の目線で時にSF的なものも含めて科学技術を広く伝えてきたメディアだ。2009年、ポピュラーサイエンス誌はGoogleと共同で記事のデジタル・アーカイブ化を行い、全1563号…

地球上の大規模火災を可視化する:NASA Global Fire Observations

この映像は、2002年7月から2011年7月までの9年間にわたる、地球規模の火災の観測結果(”Global Fire Observations”)だ。NASAが進めるEarth Observatoryプロジェクトの一部として、人工衛星に搭載した「改良型超高分解能可視赤外放射計(Advanced Very High R…

理想のMac用キーボード(空想):Ideal Keyboard for Mac

昨年からMacbookProを使っているが、マルチタッチ・ジェスチャーはことのほか便利だ。 ピンチでズーム・イン/アウト、2本指でスクロール、3本指スワイプでアプリ切り替え、4本指でデスクトップを開き、5本指でつかむようにしてLaunchPadを開く... OSX L…

LEGOで古代のコンピュータを再現する:The Antikythera Mechanism Research Project

http://youtube.com/watch?v=RLPVCJjTNgk アンティキテラ島の機械とは、紀元前1世紀のギリシャで製作された歯車で構成された機械だ。1901年、アンティキテラ島のそばの海底で発見されてから長らくの間この機械が作られた目的は謎だった。近年の調査によって…

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