クーリエ・ジャポン2013年11月号の特集、「そして『理系』が世界を支配する。」は、興味深い内容だった。センセーショナルなタイトルはともかく、いくつかの記事には間違いなく将来への示唆やヒントがある。この特集で取材された出来事や発言には、賛成・反…
MITコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)が、「壁の向こうにいる人の動き」を高精度で検知する技術を開発している。「未来のKinect」と呼ばれるこのシステムは、約1メートルの間隔で並べられた3つのアンテナと電子回路、PCからなる(上の写真)。計…
米国デトロイト市の破産申請は、世界中に衝撃を与えた。大都市の行政組織が破綻しただけではなく、そこが、かつて米国の象徴だった自動車産業の中核の都市だったからだ。自動車産業の本格的な衰退とそれに依存し続けた地方行政、また、救済しそこねた連邦政…
宇宙を探索、開拓するため、人類は様々なロケットや宇宙船を開発してきた。現在もいくつかの宇宙機が開発中だ。それぞれの機体は、ミッションを達成するために最適な大きさや形を持っている。そんな宇宙機の大きさとシルエットを比較したのが、上のインフォ…
米国防総省が開発した、生体情報をAndroidスマートフォンで可視化するアプリがオープンソースとして公開されている。このアプリは'BioZen'と呼ばれるもので、脳波や筋電図、電気皮膚反応、心電図、呼吸速度、皮膚温度などのセンサーの情報をリアルタイムで可…
「幸福はお金で買えるか?」人生の中で誰もが考えたことがある質問だと思う。デザイナー、ジョナサン・ハルも、その一人のようだ。ハルは、コロンビア大学の"World Hapiness Report"を元にして、各国の富と幸福度を比較するインフォグラフィクス、'Money Buy…
オープン・データの時代へむかって様々なデータが公開され、それらを使ったアプリケーションや可視化コンテンツが現れ始めている。例えば、この「東京風速(Tokyo Wind Speed)」は、東京都環境局と国土交通省国土政策局が公開しているデータを使って、東京都…
いつの間にか「インターネットを使わない日はない」と断言できるほど、インターネットは空気や水と同じような生活のインフラになった。中でも、インターネットでもっとも利用しているのは検索、そして最近はFacebookやTwitterなどのSNSであろう。しかし、実…
今まで様々な予定表を使ってきたが、いまだに「これだ」と言うものに巡り合えない。壁に貼るものは外出に携帯できないし、手帳形式は検索が面倒。PCやモバイルのアプリケーションは、すぐに書き込めない場合がある。どれも一長一短なのだ。リアルとバーチャ…
少し前は珍しかったプロジェクション・マッピングも、あっという間に巷に広がった。普通の人でも、ちょっとしたプロジェクション・マッピングができるようになった一方、プロフェッショナルは、もっと高度で、他人がまねできないような作品を創りはじめてい…
人間がなぜ夢をみるのか、というのは人類の大きな謎なのだそうだ。夢をみることは人間にとって、なにか意味があるはずだ。もし、人類の夢を集めたデータベースを作ることができれば、人類がまだ気がついていない、自然の大きな謎や未来へのヒントを見つける…
モバイル機器の普及で、CDで音楽を聞くことも少なくなった。昔、レコードからCDへと移り変わった音楽は、もうSSD(半導体メモリ)とクラウドの時代に入ろうとしている。テクノロジーの進化は歓迎するが、長年集めたCDコレクションが無駄になってしまうのは悲…
最近は「ヘチマたわし」を見かけることもなくなったが、ヘチマは栽培が簡単なだけでなく、元来、高品質の材質だ。水分を含めば柔らかくなり、乾くと硬くなる。軽量で、通気性が良い。この特長は、大量生産される化学合成品にも劣らないものだ。そんなヘチマ…
現在、全世界には約350万人の難民がいるという。そのほとんどは日々、過酷な生活を送っている。衣服、食料、そして住居、生活に必要な最低限のものさえ、十分手に入らない環境だ。この度IKEA財団が、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と共同で開発したのは、…
災害現場では「72時間の壁」と呼ばれる目安がある。早く救助するほど、人命を救える確率は上がるという事実を表現した言葉だ。しかし、瓦礫や土砂に覆われ、救援部隊の行動も妨げる災害現場では、人命探索は困難な作業になる。精度と効率を上げる方法や機器…
3D映像、3Dプリンター、3Dスキャナー…。今まで2Dで行われてきた情報の構築・伝達が、ハードとソフトの進化によって、3D化し始めている。3D化そのものは新しい発想ではない。そもそも僕たち生物は、3Dの世界に生きている(少なくともそう知覚している)…
グーグル・グラスなどの携帯型AR(拡張現実)機器の普及が進んでいる。エンターテイメントやパーソナルな利用が目立つARだが、産業利用の本道のひとつは、作業マニュアルのAR化だ。例えばボーイング社の航空機組み立て現場等では以前から取り入れられてきた…
災害現場での無人飛行機(UAV=Un-Manned Vehicle)の活用が、急速に広がろうとしている。垂直離着陸型では、ホビー感覚で使えるAR Droneや、GoProを搭載しGPSで自動で帰還できるDJI Phantomは、専門家以外にも大きく門戸を広げた。そして、固定翼型も、偵察…
いつの間にか、多くのものがデジタル化されている。「ペーパーレス」という言葉も死後になりつつあるくらい、PCやスマートフォンだけでテキストや画像を見ることは、ふつうのコトになりつつある。5000年続いてきた「紙の文化」は、ついに終わるのだろうか?…
iPhone・Androidとブルートゥース接続する未来の腕時計、'Pebble'。もうすぐ手に入るこのデバイスは、単なるスマホの外部ディスプレイを越えた、新しい文化を生み出しそうな予感がする。その「小さな革命」を担うのが、Pebble上で動くオリジナリティあふれる…
東京の通勤・通学は、ストレスがたまる。手を離してもカバンが落ちないくらい密集した車内、線路に落ちそうになる駅のプラットフォーム。毎朝・毎夕、この過酷な体験をしている都会人は、感性が擦り切れても不思議ではない。台湾のデザイナー、Dear Caiは、…
畳一枚ほどの箱に入った白い砂。砂遊びをするように、穴を掘り、山を作る。すると、その深さや高さに合わせて、リアルタイムに等高線が投影される。カリフォルニア大学デイビス校の研究者らが作った「AR砂場」が、米国の博物館(ECHO水族館とバーモント科学…
洗面台やキッチンからの蛇口から出る水を、水温に応じて異なった光の色ーーー水温31℃以下なら青、43℃以上で赤、その間は緑色ーーーで演出してくれる。そんな商品がある。しかも、数百円のリングを蛇口をとりつけるだけの手軽さで、バッテリーや配線も不要。…
シリアでの化学兵器の使用が引き金となり、アメリカなどによるシリア空爆の可能性が高まっている。「イラク後」の中東情勢に、また新たな混乱が加わらないことを願うばかりだ。今回の主役はシリアだが、元々中東の国々をめぐる関係は複雑だ。どの国とどの国…
駅やバスなど様々な交通機関でスマートカードが使えるようなった。硬貨や係員が必要だった昔に比べると格段に便利になったはずだが、その便利さに慣れてしまうといちいちスマートカードを取り出すことさえ面倒に感じてくる。(人間の欲求には上限がないもの…
米シラキュース大学が開発した'Match'は、色や形を文字通り「マッチ」させることで、誰もが簡単に料理できる調理器具だ。'Match'開発の主目的は、自閉症の人々がより多くの料理を行えるようにすることだという。'Match'では、例えば、計量スプーンとボウルが…
世界最大の「知の集積」、Wikipedia。人類初とも言えるこの集合知は、世界中の人の絶えまない貢献によって、拡大を続けている。Stephen LaPorte と Mahmoud Hashemiのプロジェクト'Listen to Wikipedia'は、Wikipediaに加えられた編集を、サウンドとビジュア…
現代生活は、インターネットに深く依存するようになった。インターネット上には、世界中の人々が発信する膨大な情報が、今この瞬間もアップロードされている。しかし、いったいどれくらいの情報がネット上に送信されているのだろうか?designly.comのインフ…
Max Roberts博士によるニューヨーク地下鉄路線図インフォグラフィクスの事例の中でも最も有名なもののひとつが、ハリー・ベックによるロンドン地下鉄路線図だ。水平・垂直と45度のラインのみ、等間隔に並べられた駅、テムズ川以外の地形をすべて削除、とい…
中国政府は、2020年までに、現在地方に住む2億5000万人の農民を都市に移住させる計画を打ち出している。この施策のために、人口移動を計る新たな指標が開発された。それが、「ザーサイ・インデックス」だ。 南華早報によると、国家発展改革委員会は各地…