サイエンスメディアな日々   インフォグラフィクスな日々

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2013-01-01から1年間の記事一覧

世界中の飛行機の航路を可視化する

Contrailzが可視化するのは、世界の主要空港の周囲の航空機の航路。Planefinder.netから取得された、2012年10月一ヶ月間の約10億点のデータがプロットされている。各都市の航路を眺めると、それぞれ特徴がある。例えば、モスクワ上空のある範囲は航空機の空…

1億7千万のツイートを見る:A World of Tweets

A World of Tweetsは、世界で発信されるツイートをリアルタイムに可視化するサイトだ。サイトのトップに表示される世界地図は、世界のどこでどれくらいの数がツイートされているかをヒートマップで表示したものだ。北米やヨーロッパが多いのは予想どおりだが…

水のネットワークを知る:Maps of Rivers by Nelson Minar

水は、人間が生きていくために必要不可欠な物質だ。僕たち日本人にとって水の存在は当たり前すぎて、普段はほとんど意識しないが、水があるから僕たちは生きていられる。たまには水と、水を供給してくれる大自然に、目を向けてみるのも良いだろう。 上の図は…

「おたく」はギークか、ナードか?:On “Geek” Versus “Nerd” by Slackpropagation

このブログの英語名は、"Science Media Geek, Infographics Geek"と言う。別に英語で文章を書いているわけではなく、「にぎやかし」にノリでつけたタイトル名にすぎないが、「…な日々」を直訳せずに、"Geek"と言う言葉を選んだのには訳がある。他では得られ…

オンラインでできるとは思わなかった9つのこと:9 Things You Didn't Know You Could Do Online

医薬品のオンライン販売の是非が話題になっている。医薬品と言う特別な商品だから、様々な懸念や問題が出てくるのだろうが、総論で言えば多くの物事が既にオンライン化していることは間違いないし、オンライン化できないことの方がむしろ特殊だと感じる。 そ…

視力を回復するクールな医療機器:Bionic Eye by Monash University

新しいAVガジェット?あるいは、グーグルグラスの次バージョン?そんな第一印象を受けるこのクールな機器、実はオーストラリア・モナシュ大学の生体視覚グループによって開発が進められている医療機器。視覚障害者の視覚を回復する先進デバイス、バイオニッ…

2030年、もはや発展途上国は存在しない:River of Myths, Hans Rosling

世界でもっとも有名な統計学者、ハンス・ロスリング。世界の公衆衛生を分析する内容が面白いだけでなく、個性的で迫力ある喋り方とアニメーションを活用したプレゼンテーションは、可視化や情報理解の分野でもトップランナーのひとりだ。 そのロスリングが、…

クラウドファンディングによるビデオジャーナリズム:Vourno

世界初のクラウドファンディングによる映像ニュース・プラットフォーム、"Vourno"が正式運用を開始した。制作者(Vourno)がプロジェクトの内容や必要資金を提示し、出資者(Pub)は支援したいプロジェクトに出資するというスタイルは、他のクラウドファンデ…

街で採取したDNAから人の顔を作るアート作品:Stranger Visions by Heather Dewey-Hagborg

ギャラリーの壁に並ぶのは、人の顔を型どったマスク。男女、国籍が入り混じった作品には、独特の「リアルさ」が感じられる。その「リアルさ」を支えるのは、作家の技工…ではなく、生命科学の技術なのだ。ニューヨークで開催された "Stranger Visions"は、「…

ツイートが可視化する多言語都市:Top 10 Twitter languages in Lodon visualized

文化的多様性の高い国際都市では、様々な言語でツイートが飛び交っている。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの大学院生、エド・マンレイと、スペーシャルアナリシス社のジェームス・チェシアは、2012年の3月から8月の間のロンドン市内でのツイートを、…

ツイートから可視化される生活圏:The geography of Tweets

Twitterがサービスを開始したのは2006年7月。それから約7年、世界中の「つぶやき」の蓄積は、人間に関する膨大なデータベースになりつつある。この度、TwitterのVisual Insightsチームは、2009年以後のジオタグ(緯度・経度情報)付きツイートをプロットし…

エベレストでの死亡原因:Deaths on Mount Everest

先日、三浦雄一郎さんが三度目のエベレストの登頂に成功した。80歳と言う史上最高齢での登頂は、世界的な快挙だ。偉大な冒険を無事に完遂したことに、心から拍手を送りたい。エベレスト登頂への挑戦を人類が始めたのは、1910年代の終り頃からだと言われる。…

DDoS攻撃を可視化する:DDos on the VideoLAN

サイバー攻撃の可視化では、情報通信研究機構のNICTER、DAEDALUS(ダイダロス)が有名だ。おそらくこの種の可視化では世界の先駆者だと思う。しかしもちろん、サイバー攻撃は日本だけの問題ではない。世界共通の重大な脅威になっている。上の映像は、ウェブ…

SONYとLEGOのコラボレーション:Sony Computer Science Laboratory

オーディオからテレビ、そしてゲームへと製品を展開してきたソニー。かつての「ソニー神話」は多少陰をひそめたとは言え、日本を代表するテクノロジー企業であることは間違いない。ソニーの次のターゲットは何なのだろうか?その候補に「おもちゃ」が浮上し…

自分自身の個人情報を売るオンラインショップ:Federico Zanier氏の試み

小規模でもユニークなアイデアで勝負する、新しいタイプの企業が数多く誕生する中、ニューヨーク大学Tisch School of Artsの大学院生、フェデリコ・ザニエル氏が始めたビジネスは、「小規模」「ユニーク」の両面で群を抜いている。自分自身の個人情報を売る…

人は、自分で思うほど美しくない?:"Dove Real Beauty Sketch"への反論

この映像は、1ヶ月で5000万回以上のアクセスを集めた。 自分の容姿を語る女性たち、それを聴きながら肖像画を書く男性画家。最初はよくあるスケッチの風景に見えるが、少し違う。女性と画家とはカーテンで仕切られ、画家にはいっさい女性が見えていない。画…

携帯電話の通話が交通システムを改善する:Data for Development by IBM

IBMの研究者たちが、アフリカ象牙海岸に臨むコートジボワールの首都アビジャンの交通機関を改善する研究に取り組んでいる。このために彼らが着目したのが、携帯電話の通信データだ。IBMのこの取組みは、「開発のためのデータ("Data for Development")」と呼…

この5年間を振り返って(このブログへの想い)

このブログを始めたのは、2008年の5月、今から5年前だ。そして今回が500回目の投稿になる。5年で500投稿。ちょっとしたマイルストーンを達成したことを記念して、この5年間を振り返ってみた。5年前は今の仕事を初めて間もない頃で、「こんな方向を目指…

「考える人」と一緒に専門分野を考えよう:"The Science Thinker" by 東京大学

東京大学駒場キャンパスに、高さ2.4mの巨大な「考える人」が出現したらしい。 しかし、この「考える人」、ただの「考える人」ではないようだ。白色のボディはポリゴンで構成され、その表面や周囲の壁にプロジェクションマッピングで浮かび上がるのは、自然…

意識をもった飛行ロボット:Flight of Quadrotor

この動画を見れば、誰もが驚くだろう。20基の無機質な飛行ロボットが、空中を俊敏に移動しながら正確な隊列を作っていく。それはまるで、意識を持ち、お互いにコミュニケーションしている生物のようである。いや、ある意味では、生物を越えた地球外生命体…

5ドルで買える食べ物:How Much Food Can You Buy For $5 Around the World

巷では「円安」が話題になっている。少し前は100円でも「円高」と言っていたような気もする。そもそも為替レートはどのようにして決まるのか、適正な為替レートをどう判断するのか、そのあたりの解説を探してみても、腑に落ちるものは見当たらない。賛成も反…

検索で知る世界の人々の思い:Life through Google's eye

Googleの検索エンジンは現在、181の国々・146言語で使われ、一日の検索数は、数十億から数百億に達すると言われる。間違いなく、インターネット社会の中心にGoogleがいる。 検索とは知りたいことの答えを探すことであり、人々の疑問や願い、悩みと直接・間接…

人に優しいジェスチャーセンサー:"Obake" by M.I.T. Media Lab.

M.I.T.メディアラボのDhairya DandとRob Hemsleyが開発した"Obake"は、「人にやさしい」ジェスチャー・インターフェースだ。スクリーンをつまんで引っ張ったり、指で押したり、こすったりすると、スクリーンの変形に追随して投影される映像も変化していく。…

郵便はどのように届けられるのか?:From A to B

「郵便って、どのようにして届けられるのだろう。発送から到着までの間、どんなことが起きているのだろう。どんな人々、どんなプロセスが関与しているのだろう。」 そんな素朴な疑問をもったデザイナー、ルーベン・ファン・デル・ブロイテン氏は、実際に確か…

県民性の隠れた相関を探る:都道府県別統計とランキングで見る県民性

県民性の違いをテーマにしたテレビのバラエティ番組があるが、結構面白い。自分が育った地域では当たり前と思っていたことが、他の場所では奇異だったりする。僕は生まれてから大学院を修了するまで関西にいて、その後東京の会社に就職した。関西人にしては…

市民参加による科学の民主化:NASA Spacehack

最近、「オープン・サイエンス」と言う言葉を耳にする。一部の科学者・技術者だけのものになってしまった科学技術を、再び市民に開放しようという活動だ。その背後には、インターネットの発展によって市民レベルでの情報共有が容易になったことがある。しか…

日本はもはや安全な国ではない?:"Dangerous travel: Countries to avoid"

日本は世界でもっとも安全な国の一つ ーーーーー そんな自慢は、今やできなくなったようだ。上のチャートは、カナダ外務国際貿易省が海外渡航する国民のために提供している旅行安全度マップ。正確には、今年4月4日時点の同マップを、米CBCが記事にしたものであ…

今度、どこに座るべきか?:Musical Chairs (Choosing the Right Seat)

お客さんの接待や上司との食事では、どこに座るべきか?上座・下座ってどこ? 前職は技術者で、今は上司もいない僕にとっては、今までほとんど気にしたことがなかった。いざそういう状況になったら知識の無さが致命傷になるかもしれない。でも、どこに座るか…

易しくなる大統領の言葉:"The State of our Union is ... dumber" by The Guardian

TheGuradianのインフォグラフィクス、"The State of our Union is ... dumber"は、米国歴代大統領の一般教書演説の言葉の「難しさ」を、"フレッシュ・キンケイド読みやすさ試験(Flesch-Kincaid Readability Test)"(*)によって評価したものだ。点数が高いほ…

絶対計算者の躍進:その数学が戦略を決める

面白くて、怖い。それがこの本の率直な感想だ。 この本は「絶対計算者」の立場から、世の中がいかにデータに支配されているかの具体的な事例を紹介する。 1980年代に作られたワインの価格を予想する式から始まり、野球、クレジットカード会社、カジノ、映画…

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